Departmental Bulletin Paper 京都議定書による日本の温室効果ガス排出削減結果から得られる教訓
Lessons learnt from Greenhouse Gas Reduction of Japan under the Kyoto Protocol

塚本, 直也  ,  藤倉, 良

6pp.177 - 186 , 2018-03-24 , 法政大学公共政策研究科
ISSN:21875790
NCID:AA12714757
Description
京都議定書は日本に,2008年から2012年までの5年間の約束期間に温室効果ガス排出量を1990年比で6%削減することを義務付けた。目標値はトップダウンで設定されたものであったため,政府は議定書採択時にはエネルギー起源二酸化炭素排出量の具体的な削減計画を設定できなかった。その後,政府は1998年から2008年までに温暖化対策推進大綱を2回,目標達成計画を2回定めたが,その時期においてもエネルギー起源二酸化炭素の実質的な削減策の導入は見送られ,目標はプラスマイナス0%からプラス2.3%の間という保守的なものに留められていた。そして,名目的には約束期間の温室効果ガス削減目標は達成できたが,エネルギー起源二酸化炭素排出量の同期間における排出量は6.7%増加した。福島第一発電所の事故がなかったと仮定しても,4%程度の増加が見込まれ,設定された保守的な目標さえ達成できなかった。京都議定書では削減目標が温室効果ガスの削減量だけでなく,森林による吸収や海外からのクレジット購入などと合算することができたため,政府は排出量取引や適正なカーボンプライシングなどエネルギー起源二酸化炭素排出量を削減する実効性のある政策を導入する意図を持たなかった。このため,国内の削減ポテンシャルの最適化が図られず,オフィスの床面積や世帯数の増加などの活動量の増加に対応することができなかった。パリ協定では,日本は自主的目標としてエネルギー起源二酸化炭素の削減目標を提示しているが,京都議定書の経験を踏まえれば,目標達成のためには実質的な削減策を導入しなければならない。
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