Journal Article 福島市圃場からの放射性物質の除去と野菜への吸収抑制効果の検証

堀越, 龍二  ,  HORIKOSHI, Ryuji

pp.1 - 32 , 2015-03-24 , 法政大学大学院理工学研究科
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要旨 東日本大震災を起因とする福島第一原発事故では、放射性物質が飛散することで農地に降り注いだ放射性物質が土壌中に蓄積し、作物中に混入することが問題になった。そこで私は非食用植物をカバープランツとして栽培し、放射性物質を吸収させることにより、土壌からの放射性物質の除去、及び作物への吸収抑制に効果が見られると考えた。 本研究では牧草であるイタリアンライグラスをカバープランツとして栽培することで土壌除染効果を、そして、栽培したイタリアンライグラスを除去した後、野菜を栽培することで野菜への放射性物質の吸収抑制効果を検証した。 本研究の結果から、まず、今後、自然条件下での土壌中の放射性 Cs 濃度の大きな低下は見込まれないことが予想される。また、イタリアンライグラス栽培による十分な放射性物質の除染効果を得ることはできなかったが、野菜への吸収抑制効果に関しては期待できるかもしれないという結果であった。 今回、実験に使用した福島市圃場の土壌中放射性 Cs 濃度は、この 2 年間で約 1800 Bq/kgへと低下した。この値を空間線量率で示すと約 0.3μSv/h になり(文部科学省)、1 年間で約 2600 μSv の放射線を受けることになる。これは成田-ニューヨークの航空機として往復一回の被ばく線量を 150 μSv とすると(放射線医科学総合研究所)、年間十数往復分に相当する。 私がこの 3 年間、福島市圃場での調査、栽培に関わった経験も交えると、風評被害対策がまだまだ必要であるが、収穫した野菜からは基準値を超える放射性 Cs はまず出ないこと、福島の土地で生活し、農作業での被ばく量は航空機乗務員とほぼ同等であることから、現地における農業継続は十分可能と考える。
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http://repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/11740/1/14_thesis_master_%e5%a0%80%e8%b6%8a%e9%be%8d%e4%ba%8c.pdf

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