Departmental Bulletin Paper コレラ流行事情 : 養生から健康へ
In Pursuit of the History of the Spread of Cholera

苅谷, 春郎  ,  Kariya, Haruo

6pp.1 - 8 , 2015-03-30 , 法政大学スポーツ健康学部
ISSN:21853703
NCID:AA12484191
Description
本研究は、幕末から明治維新にかけて、猛威をふるったコレラ流行に着目し、伝統的な養生思想から近代医科学に依拠する健康思想へと転換した経緯について論じた。幕末から維新の動乱期に猛威をふるったコレラをいかに封じ込めるのか、時の為政者にとって喫緊の政治課題であった。富国強兵、殖産興業を基軸とする近代国家建設を目指す維新政府は、西欧医学を積極的に導入し、養生思想から健康思想へと転じ、コレラの防疫体制を確立していった。しかしコレラを封じ込める過程で、国家、警察権力の介入を容認する素地がここに生まれ、国家主導による依存型の健康管理が定着し、人々は身体や健康に対する自立性を衰弱させてしまった。その結果、先進医学を妄信し、己の身体や健康をたわいなく管理されることに馴れすぎてしまっている現状を直視し、今一度、身体や健康を自立的に処理する「養生の思想」について再考すべきではなかろうか。
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http://repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/11202/1/6Kariya.pdf

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