Departmental Bulletin Paper 中部胆管癌の臨床病理学的検討 : 特に胆管切除術の意義について
Clinicopathological study for middle bile duct cancer : especially surgical significance of bile duct resection
チュウブ タンカンガン ノ リンショウ ビョウリガクテキ ケントウ : トクニ タンカン セツジョジュツ ノ イギ ニ ツイテ

平井, 一郎  ,  木村, 理  ,  渡邊, 利広  ,  手塚, 康二  ,  菅原, 秀一郎  ,  岡﨑, 慎史  ,  高橋, 良輔  ,  安次富, 裕哉

Description
【背景】いまだ予後不良な胆管癌の浸潤には、胆管の垂直方向と水平方向との2つの進展形式が存在する。今回中部胆管癌において、とくに胆管断端の肝臓側(hm)、十二指腸側(dm)について臨床病理学的に検討し、胆管切除術(BDR)の意義について考察した。【方法】当科で経験した中部胆管癌の切除例22例を対象とした。深達度、リンパ節転移、神経浸潤、肝臓側胆管断端(hm)、十二指腸側胆管断端(dm)の癌の有無、術後化学療法の有無などの臨床病理学的因子と予後について検討するとともに、胆管切除術(BDR)の12例と膵頭十二指腸切除術(PD)を行った10例の予後を比較検討した。【結果】BDR+PD全体の平均年齢は71.1歳であった。BDR群の平均年齢は74.3歳、PD群は67.3歳で有意にBDR群の方が高齢であった(p<0.05)。中部胆管癌全症例(n=22)の3生率は53.6%、5生率は32.1%であった。BDR群の3生率54.5%、5生率20.5%で、PD群の3生率55.6%、5生率41.7%で有意差を認めなかった。BDR+PD(n=22)群の深達度別には線維筋層(fm)の4例とも生存中であった。漿膜下層(ss)11例の3生率57.1%、5生率28.6%であった。漿膜露出(se)7例の3生率は16.7%で5年生存例はなかった。 BDR+PD(n=22)群のリンパ節転移陰性13例の3生率75.9%、5生率51.4%で、リンパ節転陽性9例の3生率15.6%で5年生存はなかった(p<0.01)。神経浸潤陰性17例の3生率44.4%、5生率17.8%で、神経浸潤陽性5例の3生率、5生率はともに17.8%であった(p<0.05)。 BDR群(n=12)のhm,dmともに陰性(n=4)の5生率は75%であった。 hm,dmともに陽性(n=6)の3生率60%で、5年生存はなかった。hm,dmともに陽性例の平均生存期間は37.5ヵ月であった。 BDR+PD群(n=22)で術後補助化学療法を施行した11例と施行しなかった11例の生存率に有意差を認めなかった。【結論】中部胆管癌に対しては原則としてPDが行われるが、BDRでもhm,dmともに陰性でリンパ節転移や神経浸潤のない中部胆管限局例の5生率は75%であり、良好な予後を期待できる。また、hm,dmともに陽性であっても平均生存期間は37.5ヵ月であり、閉塞性黄疸、胆管炎、肝膿瘍を予防するためのBDRの意義はあると考える。
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