Departmental Bulletin Paper 帝王切開術後に広範型肺血栓塞栓症を発症し救命した1例 : 当科における褥婦の静脈血栓塞栓症予防プロトコールの見直し
A rescued case of massive pulmonary thromboembolism in a pregnant woman with severe obesity after cesarean section : A reappraisal of preventive program for venous thromboembolism in a puerperal woman
テイオウ セッカイ ジュツゴ ニ コウハンガタ ハイケッセン ソクセンショウ オ ハッショウシ キュウメイ シタ 1レイ : トウカ ニ オケル ジョクフ ジョウミャク ケッセン ソクセンショウ ヨボウ プロトコール ノ ミナオシ

安藤, 麗  ,  高橋, 俊文  ,  松川, 淳  ,  堤, 誠司  ,  永瀬, 智

Description
 周術期の静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism: VTE)の中でも肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism: PTE)は予後不良な疾患であり、その発症予防が重要である。今回、VTE予防を行ったにもかかわらず帝王切開術後に広範型PTEを発症した1例を経験したので報告する。症例は27歳、body mass index 36.3 kg/m2の高度肥満妊婦。妊娠38週2日、前回帝王切開のため選択的帝王切開術を予定した。患者はVTE予防として弾性ストッキング装着と間欠的空気圧迫法(intermittent pneumatic compression: IPC)を行った。帝王切開術後1日目の初回歩行後に気分不良を訴え、直後に意識消失した。ショック状態と酸素化不良のためPTEを疑い、直ちに抗ショック療法を開始するとともに未分画ヘパリン5,000単位を静注した。造影computed tomography(CT)検査で右肺動脈主幹部および左右区域枝に多発する血栓を認めた。抗ショック療法によりショック状態は改善し、未分画ヘパリンおよびワーファリンの抗血栓療法を行った。PTE発症12日目の造影CTで肺動脈の血栓消失が確認され、PTE発症15日目に退院となった。欧米のVTE予防ガイドラインでは、VTE発症リスクの高い褥婦に対する周術期のVTE予防方法として、付加的なリスクを有する患者には抗凝固療法またはIPCと抗凝固療法の併用が推奨されている。本症例は当科における褥婦のVTE予防プロトコールの見直しを行う契機となった。
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