Departmental Bulletin Paper 心臓手術直後の血中プレセプシン値に対して対照的な術後経過を辿った2症例の検討
Impact of presepsin level on postoperative infection in two cases showed different clinical courses after cardiac surgery
シンゾウ シュジュツ チョクゴ ノ ケッチュウ プレセプシンチ ニ タイシテ タイショウテキ ナ ジュツゴ ケイカ オ タドッタ ニショウレイ ノ ケントウ

鈴木, 博人  ,  小野寺, 悠  ,  秋元, 亮  ,  中根, 正樹  ,  川前, 金幸

Description
 術後感染症は高度の医療が発達した現在においても大きな問題のひとつである。特に、心臓手術後の感染症はときに重篤化し治療に難渋することがあるため、早期発見・早期治療が重要と考えられている。最近、新しい感染症マーカーであるプレセプシンが感染症診断に有用であると報告されているが、術後感染症の診断における有用性を示した報告はまだない。今回我々は、心臓手術直後の血中プレセプシン値に対して対照的な術後経過を辿った興味深い症例を経験したので、同時期に経験した対照的な2 症例を合わせて報告する。 症例1 は 77 歳女性で、大動脈弁狭窄症に対して大動脈弁置換術が施行された。手術前のプレセプシン値は86pg/ml、手術後は334pg/ml であった。術後は明らかな感染症の徴候はなく順調に経過した。 症例2 は63 歳女性、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症、冠動脈狭窄症に対して、大動脈弁置換術、僧帽弁置換術、冠動脈バイパス術が施行された。術前のプレセプシン値は139pg/ml、術後は1603pg/mlであった。術後の炎症反応は一旦改善したが、POD13 に再燃し、縦隔炎を発症した。 今回提示した2 症例ではいずれも術後のプレセプシン値は上昇していたが、術後13 日で縦隔炎を発症した症例2 においてその変化は顕著であった。プレセプシンは細菌感染に特異度が高いことが報告されているため、手術中における生体への細菌曝露の大きさを反映している可能性がある。症例2 において術後経過中に感染症が顕在化したことと手術直後のプレセプシン値が異常高値であったことには何らかの関連があったと推察される。 手術直後のプレセプシン値が異常高値を示した症例では、術後感染症の発症に十分に注意した慎重な経過観察ならびに臨床徴候に基づいた早期感染症診断へのアプローチが必要と考えられた。
Full-Text

https://yamagata.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=3488&item_no=1&attribute_id=17&file_no=2

Number of accesses :  

Other information