紀要論文 少量ステロイド療法と気道圧解放換気が奏効した術後急性呼吸促迫症候群の一例
A case of postoperative acute respiratory distress syndrome dramatically improved by low dose corticosteroids therapy and airway pressure release ventilation
ショウリョウ ステロイド リョウホウ ト キドウアツ カイホウ カンキ ガ ソウコウ シタ ジュツゴ キュウセイ コキュウ ソクハク ショウコウグン ノ イチレイ

秋元, 亮  ,  中根, 正樹  ,  川前, 金幸

内容記述
 大血管手術の術後は全身性炎症反応症候群に陥りやすく急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)の発症リスクが高い。今回、急性大動脈解離を発症し上行弓部大動脈置換術を施行、術後に重症ARDS を発症したが、少量ステロイド療法と気道圧解放換気(airway pressure release ventilation:APRV)で救命できた症例を経験したので報告する。症例は69 歳、男性。身長153cm、体重53 kg。急性大動脈解離の診断で緊急手術が施行された。全身麻酔導入直後の血液ガス分析で、P/F 比は57 であり、改善のないままICU に入室した。PEEP を15cmH2O まで上げながらSIMV+PS の低容量換気で対応したが、P/F 比は100 前後と不良であり、換気回数を増加してもPaCO2 は70 mmHg 台となった。術後第7 病日(POD7)には,39 度台の発熱、CRP 増加、進行する代謝性アシドーシスを認めた。POD8 からメチルプレドニゾロン1 mg/kg/day を4 回に分け静注し、少量ステロイド療法を開始したところ、数時間後には37 度台まで解熱した。しかしPOD9 でもP/F 比は130 と酸素化は悪く、胸部レントゲン写真でも浸潤影を認めたため、APRV による呼吸管理を開始したところ酸素化は劇的に改善し、翌日にはP/F 比は300 を超えた。重症ARDS に対し、少量ステロイドによる炎症反応の抑制と、自発呼吸を温存したAPRV による肺胞リクルートメントを行い、呼吸状態の改善を認めた。ステロイド投与の適応、投与量、期間、合併症に留意し、適切な人工呼吸療法の選択によって重症ARDS 患者を救命することができた。
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