Technical Report 製品開発における問題解決行動は日中韓企業でどう異なるか? : 調査結果の分析と3か国への提言

都留, 康

2016-08 , Institute of Economic Research, Hitotsubashi University
NCID:AA11476336
Description
本稿では,日本・中国・韓国のエンジニア個人を対象にしたアンケート調査データに基づいた分析を行い,以下の点を析出した.まず第1に,製品アーキテクチャのタイプ,開発組織の構造,ならびに担当業務内で発生した問題の間に,整合性が高い関係が日中韓3か国でみられる.つまり,インテグラル・アーキテクチャ寄りの日本と韓国では,複数部門からエンジニアが参加する形で開発組織が編成され,「仕様変更」「不具合」の二大問題が発生する割合が大きい.これは,モジュラー・アーキテクチャ寄りの中国とは好対照である.第2に,担当業務内で発生した最難関問題について現場レベルで問題解決が行われる度合は,日本>韓国>中国の順である.しかし,担当業務内で発生した最難関問題を解決する際の労働時間配分をみてみると,「上司と打合せをする時間」が韓国>中国>日本となっている.この結果は,職務経験年数の短さに起因して,韓国のエンジニアが問題解決に必要な知見を欠いており,それを補うために上司に依存する度合が高いことを示唆している.また担当業務外で発生した問題を解決する際の能動性は,「納期遅れ」を除くすべての問題に関して日本>中国>韓国であった.この結果もまた,韓国エンジニアの職務経験の短さから説明できるであろう.第3に,仕事に関する意識については,日本において,「現在の会社に勤め続けたい」の得点が最大で,「もっと条件のよい会社に転職したい」「降格の不安がある」「解雇の不安がある」の得点が最小であった.また,韓国の勤続指向が最低で,解雇・降格不安,転職志向が最大であった.さらに,能力評価・業績評価に対する納得度は,いずれも中国で際立って高く,日本・韓国では同等に低い.以上より,韓国エンジニアの職場定着指向の低さ,評価納得度の低さが目立つ結果となっている.
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http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/28018/1/DP643.pdf

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