Technical Report 戦後期ロシアの非公式経済成長:歴史統計,1960-1990

志田, 仁完

2016-03 , Russian Research Center, Institute of Economic Research, Hitotsubashi University
ISSN:1883-1656
Description
本稿では,機密解除されたアーカイブ家計調査資料(「ロシア国立経済文書館」所蔵)を活用し,戦後期ロシアの非公式経済を家計面から検証した.さらに,非公式経済の規模推計に基づき,ロシアGDP歴史統計を支出面から再評価した.公式・非公式GDPの再推計は次の点を明らかにしている.第1に,既存GDP推計において非公式GDPが適切に考慮されなかったため,1960-90年のロシア経済の規模が期間平均で6.5%~12.6%過小評価されていた.第2に,非公式GDPの名目シェアは趨勢的な縮小傾向を示した.第3に,非公式経済を考慮した場合,ロシアの実質経済成長は下方修正される.1961年を基準とするロシアの実質経済成長は,ソ連崩壊直前の1990年において15~39ポイント低下する.これは年率0.24~0.38%の成長率の低下に相当する.以上は,推計起点の名目GDPが最も過小評価されていること,名目・非公式GDPシェアが趨勢的に縮小したこと,そして,価格が計画的・硬直的に設定された公式経済部門よりも,より柔軟な価格調整機能を有する非公式経済において,価格上昇が著しいことに起因する.公式経済における不足は価格調整を伴わず,それが非公式経済に転嫁されたため,非公式経済成長は鈍化した.
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http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/27819/1/RRC_WP_No56.pdf

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