テクニカルレポート 探索研究とサイエンス : 医薬イノベーションの科学的源泉とその経済効果に関する調査(1)

長岡, 貞男  ,  西村, 淳一  ,  源田, 浩一

2015-08 , Institute of Innovation Research, Hitotsubashi University
内容記述
本稿では医薬イノベーションの科学的源泉とその経済効果について、探索研究を対象としたアンケート調査の結果をまとめている。本調査は科学技術振興機構(JST)からの支援を得て、一橋大学イノベーション研究センターと日本製薬工業協会医薬産業政策研究所が協力して実施した。調査対象は新有効成分含有医薬品(New Molecular Entity:NME)の創出を目的とした探索プロジェクトであり、(1)1990~2011年の間に日本において承認された日本企業オリジンの全ての新有効成分含有医薬品、(2)2012年時点において非臨床から~申請中までのいずれかのステージにある日本企業オリジンのNME医薬品候補物の原則全て、(3)比較対象として、開発が中止されたあるいは現在留保されている臨床開発プロジェクトの中から分野及び時期をコントロールして選択したプロジェクトのNME医薬品候補物を対象としている。回答プロジェクト数が234プロジェクトであり、回収率は22パーセントであった。製薬協加盟企業に限定すれば、26%であった(母集団設計で、NMEを広めに定義しており、この点を配慮すると実質の回収率はより高い)。サイエンスの成果をその媒体によって、(1)科学技術論文に新たに公表された研究成果、(2)研究機器や試料に体化された研究成果、(3)産学連携(大学あるいは国公立研究機関等との共同研究や大学等からの研究成果の直接的な移転)及び(4)先行特許文献に開示された研究成果と4つに分けている。探索研究に関する主な調査内容は以下である。第一に、探索研究におけるサイエンスの貢献を、研究プロジェクトの着想や実施の知識源、プロダクト・イノベーションの源泉、プロジェクトの独自性の源泉、そして予想外の困難を解決する手段としての貢献それぞれにおいて、包括的に把握した。第二に、サイエンスの活用メカニズムおよび活用されたサイエンスの所在を調査した。第三に、探索プロジェクトの不確実性の程度とプロジェクト開始時のサイエンスの進展度合いとの関係、不確実性の高いプロジェクトの選択頻度、個人の自由な研究の役割、不確実性へのプロジェクト開始時(事前)の対応について調査した。
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http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/27490/1/070iirWP15-16.pdf

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