Departmental Bulletin Paper 戦争体験者への共感が持つ教育実践上の意味と課題
The Implications and problems of Sympathy with war survivors in peace education in Postwar Japanese Schools
センソウ タイケンシャ ヘ ノ キョウカン ガ モツ キョウイク ジッセン ジョウ ノ イミ ト カダイ

古波蔵, 香  ,  Kohagura, Kaori  ,  コハルガ, カオリ

22pp.15 - 26 , 2017-03-31 , 大阪大学大学院人間科学研究科教育学系 , Department of Education Graduate School of Human Sciences, Osaka University , オオサカ ダイガク ダイガクイン ニンゲン カガク ケンキュウカ キョウイクガクケイ
ISSN:13419595
NCID:AN1055404X
Description
戦後日本の平和教育実践の特徴の一つとして,戦争体験者の心情を理解すること,すなわち戦争体験者に共感することを生徒たちに求めてきた点が挙げられる.このような教育実践の前提となっているのは,戦争体験者の心情を,戦争を体験していない人々が理解できるという思考である.こうした思考が問題とされるのは,他者である戦争体験者の心情を,戦争を体験していない人々が望ましいと思う方向に沿うよう解釈し,操作してしまう危険性があるためだ.こうした問題を指摘した先行研究では,他者の心情を自らの都合に即して領有しないための作法として,他者を理解できないという苦しみを引き受けることが提案されている.しかしながら,こうした先行研究の批判もまた,他者の心情に配慮することを重視している点においては同様であり,そうした心情理解を超えて,戦争の構造を理解するという今日の平和教育の課題が看過されてしまうという問題を抱えている.本論文は,戦争の記憶を継承するにあたり,共感作用を積極的に取り入れている教育実践や,その実践に対する先行研究の批判を検討することを通して,平和教育実践における今日的課題を指摘する.
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http://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/60448/aes22-015.pdf

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