Technical Report 集団的意思決定における時間選好 : 経済実験

鶴田, まなみ  ,  ツルタ, マナミ

16-11pp.1 - 47 , 2016-05 , Graduate School of Economics and Osaka School of International Public Policy (OSIPP) Osaka University
Description
集団的意思決定における時間選好が、個人的な意思決定の場合とどのように異なるのかを解明するために、経済実験によって代替的な2つの仮説-「利他的集団意思決定仮説」および「利己的多数決仮説」-の成否を検証する。意思決定者の利他性を想定する「利他的集団意思決定仮説」では、意思決定者は自分の異時点間資源配分を決める場合より高い割引因子で他人の異時点間資源配分を考える結果、集団的意思決定における割引因子は、個々人の利己的決定における場合よりも高く、他人のための意思決定における割引因子よりも低くなる。集団の異時点間資源配分がメンバーの利己的個人意思決定の多数決によって決まるとする「利己的多数決仮説」では、集団的意思決定における割引因子はメディアンメンバーのそれによって決定される。実験は、ランダムに組まれた匿名の3 名を1 グループとして行われた。被験者たちは、同じ異時点間選択タスクを、(1)自分のための個人的意思決定、(2)他のグループメンバーのための個人的意思決定、および(3)グループ全体のための集団的意思決定、という3つの環境で行った。集団的意思決定タスクでは、個人属性の相互的影響を避けるために、被験者は匿名性を維持したままチャットによってPC 上で合議を行なった。主な結果は以下の3点である。第1に、個人的意思決定での割引因子は集団的意思決定での割引因子よりも小さい、という点。第2に、利己的多数決仮説が支持された、という点。第3は、個人的意思決定の割引因子が集団的意思決定の割引因子と異なる理由は、個人割引因子の分布の歪みにあるという点、である。

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