紀要論文 接続詞「しからば」と「さらば」について : 文体による用法差を中心に
セツゾクシ「シカラバ」ト「サラバ」ニツイテ : ブンタイ ニヨル ヨウホウサ オ チュウシン ニ
接続詞しからばとさらばについて : 文体による用法差を中心に
Conjunctions "shikaraba" and "saraba" : differences in usage by stylistic issues

楊, 瓊  ,  ヤン, チョン  ,  Yang,Chong

(20)  , pp.67 - 79 , 2016-03-31 , 同志社大学大学院日本語学研究会 , Transcription: ドウシシャ ダイガク ダイガクイン ニホンゴガク ケンキュウカイ , Alternative: The Circle of Japanese Linguistics, The Graduate School of Doshisha University , Alternative: Doshisha Daigaku Daigakuin Nihongogaku Kenkyukai
ISSN:21885656
NII書誌ID(NCID):AA12567029
内容記述
本発表は、古代日本語における「さらば」と「しからば」を調査し、それらの文体による用法差を検討するものである。中古和文では、「しからば」は用いられないが、「さらば」は日常会話語として用いられ、その後続表現には疑問表現が続く例がやや少なく、意志表現、命令表現、推定表現が続く例が幅広く見られる。いっぽう、漢文訓読文では、「シカラバ」の用例は少ないが、用法は極端に疑問表現と推定表現の条件を表す用法に固定化している。院政鎌倉期になると、「さらば」の用法が大きく偏るようになり、意志表現と命令表現が続く例が中心となるが、「しからば」の用例も現れてくる。この時期の「しからば」は、漢文訓読文における「シカラバ」と同じく、後続する疑問表現と推定表現の条件を表す用法に偏っている。このように、「さらば」が後続する意志表現と命令表現の条件を表す用法に偏っていることは、同時に訓読系統の「しからば」が後続する疑問表現と推定表現の条件を表す用法によって、訓読の影響を受けた作品に進出する背景ともなっていると考えられる。すなわち、「さらば」と「しからば」は、それぞれの中心となる用法を異にするために和漢混淆文において併存し得たのである。
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https://doors.doshisha.ac.jp/duar/repository/ir/23096/046000200006.pdf

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