学術雑誌論文 カレイドスコープ方式による環境学習ツールを活かした多角的な視点形成への期待 : 伝統智と科学知の統合過程

西村, 俊

8pp.17 - 22 , 2015-09-30 , 自然文化誌研究会
ISSN:1880-3881
内容記述
日々、様々な新テクノロジーが研究・開発され、私たちのライフスタイルはより快適でより省エネルギーな(環境負荷が小さな)スタイルへと転換しようとしている。21世紀は環境の時代と期待された通り、今世紀に入り低環境負荷を指向した技術革新が進められ、「持続可能な”開発”」へ向かった技術革新の歩みが加速しているように感じている。一方で、これまで人間の日々の営みの中で養われてきた自然との共生意識や人間以外の動植物や神秘的な事象を意識し、自らの世界観を養い・育む機会は段々と減少しており、自然との距離感や付き合い方への認識が世代ごとにますます様変わりしていくことへの懸念もある。高度に発達し成熟を迎えつつある民主主義を基盤とした資本主義社会において、テクノロジーによる環境調和型社会の構築が進むなか、社会の営みの根底である個人の”幸福感”はどのように計られていくのだろうか。身近な生活における効率や快適さのみならず、「関連性を意識する力」や「それを統合する力」を鍛錬することが、総合的な幸福感を生むものと筆者は捉えている。しかし実際には、現役世代の多忙さや貧富の差の拡大による余暇時間の減少もあり、後者の要素は子どもの教育の場ないしは中高年世代の情操学習の場での役割として求められている傾向が強いと感じている。そうした状況のなかで、段々と他者を異質なものと捉え、二極化ないしはグループ化された分類志向が広がっているのではないだろうか(自由な選択の意思が尊重されている社会では、当然の結果ともいえる)。 ここでは、これまでの自然誌と文化誌の体験学習による世界観の構築を整理・モデル化した環境学習ツールを基に、過去・現在・そして未来の「伝統智」と「科学知」の関連性の一端を整理することで、社会の二極化思想から多角化思想への視点転換を目指したカレイドスコープ方式の展開の可能性について、考えてみたい。
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https://dspace.jaist.ac.jp/dspace/bitstream/10119/13509/1/21844.pdf

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