学術雑誌論文 学校改革研究の動向と課題 : 日本の教育社会学に焦点を当てて
Trends and tasks of the research on school reform : With a focus on educational sociology in Japan
ガッコウ カイカク ケンキュウ ノ ドウコウ ト カダイ : ニホン ノ キョウイク シャカイガク ニ ショウテン オ アテテ

原田, 拓馬

14pp.133 - 144 , 2016-03 , 山口大学大学院東アジア研究科
ISSN:1347-9415
NII書誌ID(NCID):AA11831154
内容記述
本稿の目的は, 日本の教育社会学における学校改革研究の動向と課題を明らかにしたうえで, 課題解決に貢献可能な視座を提示することである. 本稿の知見は, 具体的に次の4点に要約される. 第1に, 日本の教育社会学における教育改革研究では, 学校改革が教育改革のオルタナティブという対案的役割へと無批判に位置づけられる傾向にあるという点を指摘した. 第2に, 日本の教育社会学において学校改革研究を構成するのは学校組織研究と教師文化研究であり, その動向を整理・検討すると, いずれの研究も教師集団の内的親和性(同僚性・協働文化⇔保守性・閉鎖性)やその機能(学校改革の推進⇔学校改革の阻害)を問題化することを論点とし, つまり学校組織・教師集団を研究の基礎的単位とし, その文化の循環的再生産の様子を描き出すことに終始しているという課題を明らかにした. 第3に, その課題解決に貢献可能な視座として, 学校改革を引き起こす教師個人の主体的側面への着目の意義を指摘した. 具体的に, 学校改革を引き起こす教師個人の主体的側面から社会化やキャリア, ストラテジーなどを検討することが可能となり, 教師文化の循環的再生産の議論に陥ることなく, 学校社会の変動メカニズムの解明へと研究展望を開くという点において, 学校改革研究の新たな可能性を提示している. 第4に, 学校改革概念を再定義し, 学校改革を引き起こす教師個人の主体的側面に関する経験的研究に取り組むための準備を整えた. 本稿の見出した, 学校改革を引き起こす教師個人の主体的側面という視点は, 学校改革研究において新たな展望を開いており, 今後, その経験的研究への取り組みが求められる.
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http://petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/G0000006y2j2/file/26166/20160620112950/D300014000008.pdf

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