Departmental Bulletin Paper 欧文資料から見る20世紀前期上海語の音声・音韻的特徴

張, 玥

15pp.37 - 53 , 2017-03-01 , 東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
ISSN:13478931
NCID:AA11831019
Description
本稿は、ダイナミックな音韻変化を遂げた約100 年前の上海語について、20 世紀前期に、プロテスタント・ミッションの宣教師の手になった2 冊の上海語教科書を基礎資料とし、当時の上海語が如何なる音韻変化を経ているのか、また他の時期の上海語と比べてどのような音韻的特徴を呈しているのかについて論じたものである。本稿では、20 世紀前期上海語の音韻変化と音韻的特徴について、(1)軟口蓋破裂音声母の口蓋化、(2)有声歯茎破擦音[ʣ]と有声歯茎摩擦音[z]の混同、(3)鼻化韻と非鼻化韻の混同、(4)閉鎖音韻尾-k > -ʔの変化、(5)入声韻母[eʔ]と[әʔ]の混同、という5 つの点を取り上げ、先行研究で一様に語彙拡散で説明されていた現象に対し複眼的な考察を試みた。結果、20 世紀前期の上海語は、19 世紀中期に兆しを見せていた一部の音韻変化が終盤を迎え、より複雑で多元的な言語変化の様相を呈していたことが明らかとなった。
Full-Text

https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=16475&item_no=1&attribute_id=19&file_no=1

Number of accesses :  

Other information