紀要論文 Language, Politics, and Taboo Memory : Harold Pinter's The Caretaker and The Homecoming as Post Holocaust Dramas

OKUHATA, Yutaka

14pp.125 - 138 , 2016-03-01 , 東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻 , Graduate School of Arts and Sciences, the University of Tokyo
ISSN:13478931
NII書誌ID(NCID):AA11831019
内容記述
本稿では、英国の劇作家ハロルド・ピンター(1930-2008)の『管理人』 (The Caretaker,1960) 及び『帰郷』 (The Homecoming, 1965) を採り上げ、そこに見られる「語りえない」禁忌(タブー)としての記憶について、主に「アウシュヴィッツ後」の世界におけるホロコーストを巡る記憶の政治学と結びつけて検討する。ピンターはユダヤ人でありながら絶滅収容所の恐怖を直接的に表象しようとはしなかったが、彼の幾つかのテクストには登場人物の曖昧な言説の背後に、しばしば彼らが語りえない真実――或いは、彼らが他者へ語ることを拒否している記憶――が存在することが暗示されている。例えば『温室』 (The Hothouse, 1958/1980) にはそうした語りえない記憶を「語ろう」とする試みが言語そのものの自壊により挫かれてしまう様子が描かれているが、本論文では一見ホロコーストとは無関係に思える『管理人』と『帰郷』において、この種の「語りえない」禁忌としての記憶が、まさに「語られない」ことによって――もしくは逆に「語られて」しまうことによって――もたらされる作用を中心に分析し、共同体の団結を維持する装置として機能する“unspeakable”な記憶それ自体の孕む政治性について論じる。
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http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/59400/1/lis1408.pdf

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