Departmental Bulletin Paper <講義ノート>マクロ化創発のパラドックス(第62回物性若手夏の学校 講義)

小嶋, 泉

6 ( 4 )  , pp.1 - 30 , 2017-11 , 物性研究・電子版 編集委員会
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第62回物性若手夏の学校 講義
ミクロ/マクロ, 量子/古典の相互関係は, 前者での物理量の非可換性が「古典極限」ℏ→ 0 で消えて可換変数を持つ古典論が現れ, 逆に後者を「量子化」し正準交換関係で量子論的非可換性を持込めば量子論が得られる, というのが常識的・標準的な「量子古典対応」の理解だろう。こういう常識的想定が崩れ, ミクロレベルに存在しなかった物理的自由度, 物理変数がマクロレベルで物理的自由度に「化ける」状況とそこではどんなメカニズムが働くのか? をここでは論じたい。典型例は量子電気力学における縦波Coulombモード : 量子論的ミクロレベルにCoulombモードは存在せず, 縦波光子はたとえ「存在」しても観測に掛からない「非物理的モード」だというのが「ゲージ場の共変的演算子形式」の結論だが, しかしマクロレベルには立派にCoulombモードが存在して電荷間のポテンシャルを記述する。この見方でBCS超伝導理論とHigg機構とを比較すれば, 前者に存在するCooper対が後者では「非物理的モード」として消去され, 両者の間には重要な食い違いが残る。ここで重要な役割を担うのは長らく「悪者扱い」されてきた「不定計量」だが, 実は, 熱力学, 統計力学の文脈も踏まえて見直せば, そこからはもっとダイナミックな物理が展開する! 無限自由度系の統計力学や超伝導モデル等々の例を通して, 鞍点法との面白いつながりを読み解くことを試みよう。
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http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/229043/1/bussei_el_064221.pdf

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