Research Paper 食料価格上昇局面における家計消費とエンゲル係数 --所得階層別の変化要因の分析--

小嶋, 大造  ,  大澤, 秀暁  ,  村上, 太郎  ,  福島, 宏祐  ,  小池, 孝英

1706pp.1 - 33 , 2017-12 , Institute of Economic Research, Kyoto University
Description
本稿では,食料価格上昇局面(2008 年,2014~2015 年)における家計消費とエンゲ ル係数について,所得階層別にその変化要因を明らかにする。総世帯平均では,2008 年 では食料数量と非食料数量をともに減少させたが,2015 年では食料数量はほとんど減 少させず,非食料数量を大幅に減少させた。可処分所得が低下傾向にあるなか,食料価 格上昇に対する家計の吸収余力が縮小した。低所得層では,この吸収余力縮小が一層顕 著となる。2015 年では,総世帯平均と異なり,貯蓄率を低下させつつ,食料も非食料も 数量調整をなしえなかった。この結果,エンゲル係数の上昇幅が相対的に抑制された。 他方,高所得層では,2015 年では,食料消費を維持する一方,総世帯平均以上に,非食 料数量を減少させ,平均消費性向を低下させた。この結果,エンゲル係数の上昇幅が相 対的に大きくなった。こうした各所得階層の家計消費やエンゲル係数の変化は,長期的 な推移においてより明瞭に把握される。
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http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/228360/1/DP1706.pdf

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