紀要論文 Context-Containing Constructions: Why can we interpret an expression infinitely?
状況包含構文 : 人はなぜ1つの表現を無限に解釈できるのか

OKAHISA, TARO

22pp.129 - 149 , 2016-12 , 京都大学大学院人間・環境学研究科言語科学講座
NII書誌ID(NCID):AA11467856
内容記述
本稿では、認知言語学において仮定されている形式と意味の対である構文の適用範囲を拡大し、構文の形式が音素列(PS)、マルチモーダル情報(MI)、アクセス可能情報(AI)の3つのカテゴリーから構成されうる「状況包含構文」を想定することで、多義性という考えを排し、これまで様々な分野で個別に説明されてきた現象を統一的な観点から説明することを試みる。これまで、語の多義性に関する議論においては、当該の語の意味は一つであるとして、語用論的ルールを仮定し、語の意味の差異を説明する立場と語の複義性自体を認める立場の2つがあった。しかし、いずれの立場においても、語用論的ルールのリスト、ないしは語義のリストが無限に必要となる「無限リスト問題」(infinite-list problem)が生じると言える。そこで、本稿ではTaylor (2012)の議論を拡張させ、コンテクストが構文の形式に含まれた状況包含構文を想定し、一見多義的に捉えられる言語単位はより大きな構文の一部でしかないことを示す。さらに、状況包含構文の形式を3つに区分することにより、これまで様々な分野で研究されてきた記号的現象が、(1)PS構文、(2)MI構文、(3)AI構文、(4)PS-MI構文、(5)PS-AI構文、(6)MI-AI構文、(7)PS-MI-AI構文の7つの観点から統一的に捉えられることを示す。この考え方を採用することで、これまでは、意味論、語用論、詩学、文字論、物語論、マルチモーダル分析等において研究されてきた様々な記号現象を基本的で単純な情報に還元して分析することが可能となり、記号の理解/産出メカニズムの解明に繋がることが期待される。 The objective of this paper is to deal with what I call the infinite-list problem of meaning of a lexical item by introducing the notion of context-containing construction. Without the concept of polysemy, the device can explain why a single expression is interpreted as different meanings. This paper illustrates cognitive-psychological validity based on discussion in Taylor (2012) and Langacker (2001), and demonstrates broad applicability of context-containing construction through considering some case studies. Because context-containing construction is involved with Taylor’s explanation of polysemy (cf. Taylor 2012: Ch.10), we will begin by briefly reviewing his idea in the next section. In Section 3, we will then define a context-containing construction. Finally, the notion’s applicability to a broad variety of phenomena will be demonstrated in Section 4.
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http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/219421/1/pls22_129.pdf

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