Research Paper 国民年金保険料の納付率低下と生活保護費の将来推計

米田, 泰隆  ,  酒井, 才介  ,  中澤, 正彦

15082015-07 , Institute of Economic Research, Kyoto University
Description
本稿では、生活保護費の長期推計を行い、その上で国民年金保険料の納付率低下が生活保護費に与える影響を定量的に明らかにすることで、生活保護費に関する幅を持った将来的な見通しを示す。具体的には、高齢化の効果を明示的に取り込み生活保護費の長期推計を行った上田(2012)で示されている手法を参考に、まず2050年度までの生活保護費の見通しをベースラインとして示す。次に、1990年代半ば以降、国民年金保険料の納付率が全ての年齢層で低下していることに伴い、高齢者の所得環境が将来的に悪化する影響を考慮するため、将来の国民年金保険料の納付率を機械的に試算する。その上で、60歳時点での国民年金保険料未納者の増加分だけ被保護者実員数が増加すると想定して生活保護費の長期推計を行い、年金受給権を持たない高齢者が増加することの長期的な影響を定量的に試算する。長期推計の結果は、まず上田(2012)を参考にしたべ一スラインでは、生活保護費は実績値である2015年度の対名目GDP比0.75% から2050年度には同0.94% に上昇する。一方、国民年金保険料の納付率低下を考慮したシナリオにおいては、生活保護費は2050年度には対名目GDP比1.70% まで上昇する。国民年金保険料の納付率低下を考慮したシナリオとベースラインとの差は対名目GDP比0.76% まで拡大することから、国民年金の納付率低下が将来の生活保護費に対し大きな影響があることが確認される。
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http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/199602/1/DP1508.pdf

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