研究報告書 PFI事業におけるVFMと事業方式に関する実証分析 : 日本のPFI事業のデータを用いて

要藤, 正任  ,  溝端, 泰和  ,  林田, 雄介

15012015-05 , Institute of Economic Research, Kyoto University
内容記述
本稿の目的は、我が国のPFI事業における事業分野や事業方式の違いがVFM (Valuefor money) に与える影響を、不完備契約に基づいた研究成果を踏まえて検証することにある。近年の不完備契約理論では、事業分野や事業方式の違いが民間事業者のインセンティブに異なる働きかけを行い、結果、PFIの効率性には事業分野ごとに適切な所有権の配分が必要であると指摘されている。本稿では、このような理論的仮説を現実のデータをもとに検証し、最適な事業分野と事業方式の組み合わせについて定量的な分析を行うことを目的としている。具体的には、2014年3月までに実施方針が公表されたPFI事業のうち、VFM等のデータが入手可能な312事業を対象に分析を行った。結果、浄水場や下水道などのサービス系事業においては、施設の運営権者が施設を保有するBOT方式を採用した方が建設後に所有権を公共側に移転するBTO方式に比べてVFMが大きくなることが明らかとなった。逆に、庁舎等の箱物系事業においては、BTO方式を採用した場合の方がVFMは大きくなる。また、推定結果を用いて望ましい事業方式を選択していた場合のVFMの変化を試算したところ、適切な事業方式を選択することで400億円以上ものVFMの増加が期待できるという結果が得られた。このことは、今後PFI事業を実施するにあたって事業分野に応じて適切な事業方式を選択しなければならないことを示唆している。
本文を読む

http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/198118/1/DP1501.pdf

このアイテムのアクセス数:  回

その他の情報