Thesis or Dissertation 妊娠糖尿病母体から出生した児の在胎期間別体格に影響をおよぼす因子の検討

上原, 喜美子  ,  Uehara, Kimiko

2017-09-20 , 新潟大学
Description
学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4359号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第772号. 学位授与年月日: 平成29年9月20日
Hyperglycemia and Adverse Pregnancy (HAPO) study に基づくInternational Association of Diabetes and Pregnancy Study Groups (IADPSG)の診断基準改定によって,胎児高血糖の結果生じるlarge-for-gestational age (LGA)発症が予防でき,周産期有害事象の発症予防につながると考えられている.これを受け,本邦では2010 年7 月,妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus : GDM)診断基準が改訂された.一方で,GDM 母体への過度な介入により,small-for-gestational age (SGA)発症率の増加が危惧される.これまでにGDM 母体への介入と出生時の在胎期間別体格との関連を報告している論文はまれである.本研究の目的は,GDM 母体から出生した児の在胎期間別体格に影響をおよぼす因子,およびGDM に対する介入の効果を検討することである.本研究は,2012 年7 月1 日~2014 年6 月30 日の2 年間に出産した妊婦のうちGDM と診断された者を対象に,以下の介入を行った.(1)対象妊婦の産婦人科定期受診日と同日に糖尿病専門医を受診し,血糖コントロールを厳格に行った.また必要により,速やかにインスリン療法を導入した.(2)4 週間ごとに,管理栄養士による食事指導を行った.(3)助産師と糖尿病領域担当看護師による生活指導を,産婦人科定期受診日,糖尿病専門医の受診日と同日に行った.この対象者の臨床像について診療録を後方視的に調査した.結果,対象期間に出産した妊婦は803 名,内,正常耐糖能妊婦(normal glucose tolerance: NGT)783 名,GDM 20 名(2.5 %)であった.平均新生児出生体重はNGT 群3089.1±360.5 g ,GDM 群3062.2±363.4 g であり,差を認めなかった(p=0.771).LGA はNGT 群に63 件(8.0 %),GDM 群に2 件(10.0 %)認め(p=0.680),SGA はNGT 群に64件(8.2 %),GDM 群に2 件(10.0 %)認めた(p=0.676).LGA,SGA の頻度は2 群間に差を認めなかった.GDM20 名の診断時OGTT 結果は,1 点異常17 名(85.0 %),2 点異常3 名(15.0 %)であった.OGTT 負荷後2 時間血糖値異常は9 名(45.0 %)であった.インスリン療法は3 名(15.0%)に導入した.GDM 全体に4000 g を超える巨大児,分娩時損傷,新生児低血糖,NICU(neonatal intensive care unit)管理は発生しなかった.LGA 発症母体,SGA発症母体ともに,妊娠前BMI(body mass index) は25.0 kg/m^2 未満であったが,18.5 kg/m^2未満のやせ妊婦ではなかった. GDM 母体からLGA はOGTT1 点異常群に2 件(11.9 %)認め,SGA は2 点異常群に2 件(66.7 %)認めた.OGTT 負荷後2 時間血糖値異常群にはLGA は認めなかったが,SGA を2 件(22.2 %)認めた.インスリン療法導入3 名のうち,LGA は認めなかったが,SGA を1 件認めた.本研究では,妊娠中の良好な血糖コントロールを達成することにより,GDM 母体におけるLGA,SGA の頻度は,NGT 母体と同程度であった.適切な介入をすることにより,SGAの発症を増加させることなく,LGA の発症を抑制しうることが示唆された.
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http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/bitstream/10191/48158/1/h29nmk772_a.pdf

http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/bitstream/10191/48158/2/h29nmk772.pdf

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