紀要論文 当科における小児睡眠時無呼吸症候群症例の検討
Study of Pediatric Sleep Apnea Syndrome in Our Department

大野, 雅昭  ,  相澤, 直孝  ,  Ono, Masaaki  ,  Aizawa, Naotaka

129 ( 7 )  , pp.396 - 400 , 2015-07 , 新潟医学会
ISSN:0029-0440
NII書誌ID(NCID):AN00182415
内容記述
小児の心と体の健全な成長には良質な睡眠は重要な要素である. 睡眠が障害されると成長障害や学習障害など様々な合併症を引き起こすため, 小児の睡眠時無呼吸症候群(SAS)は早期に発見して早期に治療を行うことが重要であり, 今回, 当科での小児SAS診療につき検討を行った. 対象は平成24年1月から平成25年12月までの2年間にいびきや睡眠時無呼吸を主訴に当科を受診した12歳以下の小児である. アデノイド, 口蓋扁桃肥大を認め, 問診よりSASが疑われる症例で終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG), または簡易PSGを施行した. 無呼吸低呼吸指数(AHI)が1以上でSASと診断し, AHIが1以上5未満を軽症, 5以上10未満を中等症, 10以上を重症と分類し, 治療法などを検討した. 対象となった小児SAS28例中, 男児は17例, 女児は11例で, 初診時の年齢は平均6.25±3.08歳, AHIの平均は14.54±11.26であった. AHIの重症度分類では, 重症が15例, 中等症が7例, 軽症が6例, 治療法は手術施行例(アデノイド口蓋扁桃摘出術, アデノイド切除術)が16例, 手術非施行例は11例であった. 手術を施行したのは重症15例中12例, 中等症7例中4例で, 全例で症状の改善を認めた. 軽症6例では全例で手術を施行しなかった. 手術未施行の11例(重症2例, 中等症3例, 軽症6例)のうち4例(軽症1例, 中等症3例)では保存的治療としてステロイド点鼻や抗ヒスタミン薬, ロイコトリエン拮抗薬投与を行い, 症状の改善を認めた. 重症1例は1年間の長期経過観察中に軽快した. 小児SASはアデノイド, 口蓋扁桃肥大が主な原因である閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)が多くを占め, 手術で著明に症状が改善し, 本検討でも手術を施行した16例で術後に臨床症状の改善を認めた. しかし, 手術非施行例でも保存的治療や長期経過観察により症状が軽快した症例を認めた. 小児SASの治療法として従来は手術治療がほとんどであったが, 今回の検討より保存的治療や長期の経過観察の重要性が示唆された.
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http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/bitstream/10191/44118/1/129(7)_396-400.pdf

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