Departmental Bulletin Paper 気分障害に焦点づけた学生メンタルヘルス検診の有用性について
The Usefulness About the Student Mental Health Examination Focused on Mood Disorders

七里, 佳代  ,  澁谷, 雅子  ,  村山, 賢一  ,  Shichiri, Kayo  ,  Shibuya, Masako  ,  Murayama, Kenichi

129 ( 5 )  , pp.256 - 262 , 2015-05 , 新潟医学会
ISSN:0029-0440
NCID:AN00182415
Description
新潟大学保健管理センターでは, 平成18年度より, 学生定期健康診断の際に, 全学部の学生と大学院生約13,000名を対象に, 任意で「新潟大学メンタルヘルス検診」を実施している. DSMの気分障害の診断基準に基づいて作成された <メンタルヘルス検診票> による一次検診を実施した後, 要精査者をメール通知で呼び出し, <臨床面接> による二次検診においてDSM-IV-TRに基づく診断を行っている. メンタルヘルス検診7年間の検診実態と精神保健活動との連関をまとめ, その有用性を検証する. メンタルヘルス検診結果から, 7年間の受検者数, 有所見者数等を調査した. また, 精神保健相談の記録や, 学務情報等を基に, 検診導入7年前の平成11年度から導入7年後の平成24年度までの精神保健相談の利用件数, 自殺者等のデータを収集した. 一次検診受検者数は, 検診を開始した平成18年度には5,622名(42.9%)であったが, 検診開始7年後の平成24年度には9,992名(79.1%)に増加した. 一次検診受検者のうち, 二次検診の臨床面接を経て精神疾患を認めた者は54~131名(1.0~2.3%)で推移した. 平成24年度の有所見者は103名であり, 適応障害(50.5%), 気分障害(31.1%), 不安障害(5.8%)の順に多かった. 平成24年度の二次検診受検者は119名であり, 事後措置の結果は要治療が30.3%, 要指導が61.3%, 問題なしが8.4%であった. 検診導入以降, 精神保健相談の利用件数は約2.1倍に増加し, 精神面の医療機関紹介件数は約1.8倍に増加した. 検診導入以前の7年間の平均自殺率(10万対)は, 20歳代の全国平均とほぼ同率の18.4人であったが, 平成18年度導入以降の7年間では, 20歳代の全国平均が23人に増加したのに対し, その62.5%の14.4人に低下した. 新潟大学学生メンタルヘルス検診は導入後7年間で, 学生の約8割が受検するまでに定着し, 精神疾患の早期発見・早期治療に有用であり, 精神保健相談件数や精神医療機関紹介件数の増加につながっていた. 自殺率は検診導入以前の7年間に比べ, 検診導入以降の7年間では低下が見られた. 今後の課題としては, 二次検診受検率の上昇と統合失調症等の精神病圏の抽出の検討などが考えられた.
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http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/bitstream/10191/44072/1/129(5)_256-262.pdf

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