学位論文 加熱によるデンタルインプラント除去法の有効性検証

Kawamura, Atsushi

2016-03-23 , 新潟大学
内容記述
学位の種類: 博士(歯学). 報告番号: 甲第4143号. 学位記番号: 新大院博(歯)甲第341号. 学位授与年月日: 平成28年3月23日
新潟歯学会雑誌, 2015, 45(2), 107-108
近年インプラト治療が補綴の選択肢一つとして広く受け入れられているが、 インプラント周囲炎やインプラント体破折などにより、インプラントの除去が必要となる症例が増加している。しかし部分的にでもオッセオインテグレーションが残存するインプラントの除去には、専用の除去器具や切削器具を用いた周囲骨の削除などの外科処置が必要となることが多く、大きな侵襲を伴う。また、除去後の骨欠損拡大によりインプラント再埋入を含めた再補綴治療が困難になることもある。インプラント体を加熱して周囲骨にダメージを与え、低いカウンタートルクでインプラントを除去する方法が有効であるとの報告もある。しかしその効果や機序については未だ明らかになっていない。目的:本研究の目的は、インプラント体の加熱によってインプラント周囲骨にダメージ を与え、低いカウンタートルクでインプラント体を低侵襲かつ最小限の骨欠損で除去する方法の有効性と除去トルク低下機構についてラッモデルを用いて組織学的解明することである。材料と方法:実験にはラット上顎インプラントモデルを用いた。4 週齢Wistar 系雄性ラットの上顎両側第一・第二臼歯を抜歯し、4 週間の抜歯窩治癒後に、上顎両側にφ1.8×2mmの純チタン製インプラントを埋入した。6 週の治癒期間後、粘膜を剥離してインプラント体を露出させ、内腔表面を電気メスにて加熱後、インプラント内面の温度を測定し、閉創した。加熱後、3・7・14 日後のインプラント除去トルクを計測・解析し、同時にサンプル採取し、組織学的観察を行った。結果:非加熱郡ではインプラントと周囲骨との間に緊密にオッセオインテグレーションが確立しており、除去の際にインプラント体が破折して除去トルクが計測できなかった。一方、加熱後には除去が可能となり、加熱7・14 日後では3 日後と比較して有意に除去トルクが減少した。除去インプラント体には一層の骨組織が付着していた。また組織学的には、加熱後経時的にインプラント周囲の骨小腔空胞化範囲が拡大し、それに伴って周囲骨髄腔の毛細血管拡張と破骨細胞の遊走、骨吸収が観察された。結論: インプラント体の加熱によって一定期間後の除去トルク減少が認められ、本法の有効性が示唆された。除去トルクの減少はオッセオインテグレーションの直接的な破壊ではなく、インプラント周囲骨小腔の空洞化に引き続いて起こる骨吸収によるものと考えられた。今後は除去後の治癒モデルについても観察を行い、ヒト臨床応用向けた適切な加熱時間など各種条件の設定が必要と考えられる。
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http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/bitstream/10191/42096/1/h27ndk341_a.pdf

http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/bitstream/10191/42096/2/h27ndk341.pdf

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