Thesis or Dissertation アポトーシスの病理組織学的検索におけるM30 cytoDEATH免疫染色の有用性について : TUNEL法との比較検討

佐野, 知江  ,  Sano, Tomoe

pp.1 - 13 , 2016-03-23 , 新潟大学
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学位の種類: 博士(医学). 報告番号: 甲第4094号. 学位記番号: 新大院博(医)甲第661号. 学位授与年月日: 平成28年3月23日
アポトーシスの病理組織学的検索には、caspase系酵素の活性化により生じた断片化DNAを認識するTUNEL法が汎用されてきた。しかしTUNEL法には細胞壊死も認識することや、アポトーシス指数(apoptotic index: A.I.)を算定する際 、どの大きさの断片核までをTUNEL陽性ととるかについての基準が無いことから、A.I.には客観性が乏しい、等の問題点があった。M30 cytoDEATH免疫染色はアポトーシスの際にcaspase 3で切断される細胞骨格蛋白 CK18のエピトープを特異的に認識する方法であり、アポトーシスの早期段階の細胞質に陽性となり、壊死細胞質には染色されないことから、A.I.の客観的算定に有用な方法と期待されている。本研究では、内視鏡的切除ホルマリン固定大腸腺腫27病変を対象に、M30 cytoDEATH免疫染色と TUNEL法の比較を行うことで、M30 cytoDEATH免疫染色がアポトーシスの病理組織学的検索に有用かどうかについて検討した。パラフィンブロックからの 3μm切片でHE染色、M30 cytoDEATH免疫染色、TUNEL法を施行した。M30 cytoDEATH免疫染色では、細胞質全体がびまん性もしくは顆粒状に染色されるものを陽性、TUNEL法では、茶色に発色された顆粒状もしく点状陽性物すべてをTUNEL陽性(All TUNEL陽性)とし、それらの中で形態学的にアポトーシス小体(apoptotic body: AB)と判定できるものをAB TUNEL陽性、とした。TUNEL法のAll TUNEL陽性では、小点状陽性物が複数集蔟して存在するものの明らかなアポトーシス小体を形成しないもの、小型点状陽性物が腺管基底側にびまん性に出現するものなどがみられた。M30 cytoDEATH免疫染色では、陽性判定に苦慮するものは少なかった。24例の腺腫から54領域を抽出し、各領域のA.I.を算定した。All TUNEL陽性のA.I. (All TUNEL A.I.)は9.49±0.87%、AB TUNEL陽性のA.I.(AB TUNEL A.I.)は3.73±0.29%、M30 cytoDEATH免疫染色のA.I.(M30 A.I.)は2.53±0.35%で、それぞれの間には有意差があった(P<0.001)。M30 A.I.は、All TUNEL A.I.、AB TUNEL A.I.のいずれとも有意に相関していた(P<0.001)。 以上のことから、M30 cytoDEATH免疫染色はアポトーシスを正確に判定しており、その容易さや客観性の観点から、これまで汎用されてきたTUNEL法に代わり、アポトーシスの病理組織学的検索に有用な方法として期待される。
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