Departmental Bulletin Paper 国際混合寡占市場の民営化と最適補助金・最適関税政策に関する概説
A Survey of Privatization and Optimal Subsidy and Tariff Policy in International Mixed Oligopoly

濱田, 弘潤  ,  Hamada, Kojun

99pp.45 - 89 , 2015-09 , 新潟大学経済学会
ISSN:0286-1569
NCID:AN00183269
Description
本論文は,外国私企業が存在する国際混合寡占市場において,最適な産業政策・貿易政策が実施される時に,民営化前後でどちらの社会厚生が大きくなるのかについて,先行研究の概説を行う.Fjell and Pal (1996) が外国私企業の存在する混合寡占市場を分析して以来,多くの既存研究が,国際混合寡占市場の枠組みに戦略的貿易政策を導入し,自国政府が最適補助金・最適関税を政策的に実施する状況での民営化の是非を考察してきた.しかしながら,混合寡占市場の下で導出されるクールノー均衡は,多くの場合計算が非常に複雑である.このためほとんどの先行研究において,民営化前後の社会厚生を単純に計算し,計算結果の比較を行うことで民営化の是非に関する結論を提示するのに留まっている.本論文では,国際混合寡占市場で最適補助金・最適関税政策が導入される時,民営化前後で社会厚生の大きさがどう変化するのかについてサーベイを行うが,外国私企業が存在する混合寡占市場の均衡分析を,反応関数のグラフを用いて視覚的に説明する.この反応曲面分析を通じて,民営化前後の均衡に変化が生じる理由を説明することを試みる.既存研究の民営化に関する結論を整理すると,次の通りにまとめられる.第一に,補助金政策・関税政策が存在しない場合には,民営化は自国社会厚生を減少させる.第二に,自国政府が最適補助金政策のみ実施する場合,民営化は自国社会厚生を増加させる.第三に,自国政府が最適関税政策のみ実施する場合,民営化は自国社会厚生を減少させる.第四に,自国政府が最適補助金政策・最適関税政策を同時に実施する場合には,民営化が自国社会厚生を増加させ,民営化が望ましくなることが示される.この結論から,民営化時の最適補助金設定による社会厚生改善効果が,最適関税設定による社会厚生減少効果を常に上回ることが示唆される.
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http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/bitstream/10191/33353/1/99_45-89.pdf

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