Thesis or Dissertation 「都道府県別の二酸化炭素森林吸収量・排出量及び産業廃棄物移動量推計等から考察した環境に対する地方の貢献」

藤田, 武美

pp.1 - 152 , 2015-03-24
Description
我が国では、大都市圏で人口の集中化・過密化が進み、大量生産・大量消費・大量廃棄によって環境容量をオーバーし、食料、水資源、エネルギー、産業廃棄物の処理など生活の根幹を地方に依存している。大都市圏では交通網整備による過密対策がさらに過密化を招くという悪循環に陥り、自ら完結できない都市構造となっている。一方、地方は人口減少が進み、高齢化、過疎化、商店街の空洞化により、地域の産業や文化、コミュニティが維持できなくなってきており、国全体の格差が広がりつつある。ダムや発電所、産業廃棄物の焼却炉・埋立処分場などは、嫌忌施設のイメージが強く、住民理解が得難いことや規模が大きいために実際に水やエネルギーを消費し、産業廃棄物が発生する過密化した地域に立地が難しいという実状がある。このため、地方には雇用効果が薄いこれらの忌避施設が立地し、大都市圏には雇用効果の高い製造業やサービス業などが集中し、地域格差が拡大するという構図となっている。また、現代生活は、貨幣経済の浸透により分業化が進み、貨幣により必要な財・サービスを購入する社会システムである。貨幣を介在し他者に依存しすぎているため、食料、エネルギー、ものがどのように生産され、どのように輸送され、あるいはどのように廃棄され処理されているかについて、わからない又はわからなくても支障がない、責任なき社会、依存性の強い経済システムとなってきている。これらの結果として、大都市圏が飲料水や電力の確保、産業廃棄物の処理などを地方に依存しながら環境容量をオーバーして経済的に発展しており、地方が森林をはじめとする環境を保持して大都市圏の環境容量を補完している。しかし、この地方の環境への貢献が評価されず、一方では地方交付税等の削減により、繁栄する大都市圏に対して衰退する地方という構図が社会問題となっている。本研究における環境に対する地方の貢献は、単に地方が豊かな自然を保全し大都市圏の環境を補完しているという定性的なことではない。我が国の大都市圏と地方の関係を環境の観点から分析するために必要なデータが明らかにされていないことから、CO2 森林吸収量・排出量、産業廃棄物の排出量・処理量・移動量、再生可能エネルギーの発電状況等を都道府県別に推計する。次に、大都市圏の繁栄が我が国の環境容量を減少させて経済的に衰退する地方の環境容量の上に成立しているが、この地方の貢献が評価されていないため、これらの都道府県別データから大都市圏と地方の関係を定量的に捉えて県民経済計算等の経済指標と関連させ分析し、環境に対する地方の貢献を検証する。また、環境に対する地方の貢献の検証結果を踏まえてアメニティ平等論を基に環境税の配分をはじめとする地方への還元方策の考え方を考察する。
Full-Text

http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/bitstream/10129/5577/19/tdr_30_fujita-01.pdf

http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/bitstream/10129/5577/20/tdr_30_fujita-02.pdf

http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/bitstream/10129/5577/2/tdr_30_fujita_a1.pdf

http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/bitstream/10129/5577/3/tdr_30_fujita_a2.pdf

Number of accesses :  

Other information