紀要論文 そば処武蔵屋という山村女性のスモールビジネスを可能にした要因
The Factors That Enable The women’s Small Business of The Soba Restaurant

柴田, 彩子

(11)  , pp.67 - 78 , 2015-03-18 , 弘前大学大学院地域社会研究科
ISSN:1349-8282
NII書誌ID(NCID):AA12016218
内容記述
近年、農村部における女性によるスモールビジネスは、取り組む女性たちのエンパワーメントや、地域の活性化という観点で注目されている。本稿では、山村地域の女性グループがそば屋を開き、地域の資源を活用して経営を続けている事例について、どのような要因によってそれが可能になったのか明らかにするため、開店までの経緯と、現在の運営について主に食材の調達に着目して検討を加えた。取り上げる事例は、山梨県早川町赤沢の重要伝統的建造物群保存地区にある「そば処武蔵屋」である。検討の結果、第一の要因は、そば屋が、歴史的にも生活文化的にも山の中の宿場である赤沢という地域を象徴する重要な存在であり、その復活という取り組みは、周囲の協力を得やすかったということであると考えられた。次いで、第二の要因としては、夢の実現の過程で、自分たちや集落を取り巻く状況の変化を適宜利用できたことが考えられた。町内の中間支援組織による助成事業が始まり、企画の後押しになったこと、重伝建関連のイベントが開催されたことにより仮オープンの機会を得たこと、旅館の廃業によってそれまで旅館の手伝いをしていた女性たちの労働力をそば屋に振り向けることが可能になったことなどである。さらに、第三に、食材を自分たちで採集/栽培したり、人的つながりを利用して調達したりしている点が注目された。店で出す食材のうち山菜類は自分たちで採集していた。野菜類は、自分たちで栽培するのにとどまらず、人的つながりを通して購入したり貰ったりして入手していた。地域性を現わす食材であるキビとこんにゃくの生産は非常に少量で入手困難だったが、生産者との人間関係によって安定的に購入できていた。
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http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/bitstream/10129/5539/1/RegionalStudies_11_67.pdf

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