Thesis or Dissertation 春日山原始林とその周辺二次林におけるナラ枯れ被害の進行状況と樹種による反応の差異

酒井, 有紀

2015-03-25 , 奈良教育大学
Description
ナラ枯れ被害の現状と傾向を把握するために、春日山原始林と高円山で昆虫の穿入被害木の分布調査を行った。2014年に春日山原始林内に調査ルートを設定し穿入被害木を探索した。また、春日山原始林内に25ヶ所(20m×20m)、高円山に6ヶ所(50m×50m)方形区を設け、区画内の穿入被害状況を調査した。2014年の春日山原始林内のナラ枯れ被害木の個体数は、2012年の被害木数の約11.6倍の266個体で、その内の23個体が枯死した。また被害を受ける樹種も9種に増えた。区画調査の結果、調査区画の計1ha内で出現した285個体の内、13%の37個体が被害を受けていた。高円山では2012年にカシノナガキクイムシが到達していなかった南側まで被害が拡大し、2014年までに区画内に生育する樹木627個体の内44%の275個体が被害を受けた。穿入被害を受ける樹木は、直径が大きく過去に被害を受けていない個体である傾向があり、カシノナガキクイムシが繁殖に適した樹木として直径の大きい健全木を選択して穿入することが考えられた。落葉樹よりも枯死しにくいとされる常緑樹が優占する春日山原始林でも、ナラ枯れ被害は小規模ながら拡大しており、春日山原始林の環境保全を考えた場合、早急に対処する必要があると考えられる。
奈良教育大学修士学位論文, 学位の種類: 修士(教育学), 学位授与年月日: 平成27年3月25日
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