Departmental Bulletin Paper 動作主と支配者と道具主語構文
ドウサシュ ト シハイシャ ト ドウグ シュゴ コウブン
Instrumental Subjects as Agent and Controller

草山, 学||クサヤマ, マナブ||Manabu, Kusayama

39pp.81 - 113 , 2016-02 , 関東学院大学人文科学研究所
ISSN:03867919
NCID:AN00048004
Description
英語は日本語に比べると道具主語構文を比較的自由に生成できるが,そこには一定の制限が働く。特に,媒介手段を表す道具は主語になれるが(The knife cut the bread.),助長手段は主語になれないことが一般に指摘されている (*Chopsticks eat beans.)。この事実に対して,前者は行為を代行してくれる道具であるのに対し,後者は人間の行為を助けるだけで,実際に行為を行うのは人間自身である,という説明がなされてきた。しかし,道具が行為を代行するか否かという感覚的違いだけでは,例えば,同じ材料でも,「原材料」は主語になれるが (That whole-wheat flour bakes wonderful bread.),「建築資材」は主語になれない(*Those new bricks construct a wonderful house.)という事実を捉えることができない。このような事実を説明するためには,「擬人法」という事態認知の在り方がどのように文法原理の中に具現化されているのかを明らかにする必要がある。その作業の一環として,動作主という概念を使役者と支配者からなるマクロな意味役割とすることを提案した。特に,支配者の概念を従来の「支配性=意図性」という単純な構図からではなく,「実現可能性への関与」という観点から再定義した。このように新たな視点から再定義された動作主の概念とプロトタイプ理論を組み合わせることで,これまで感覚的に分析されてきた事実に対して原理的な説明を与えることを可能にした。さらに,道具主語構文においては,使役者と支配者の役割が行為者と道具にそれぞれ割り振られるという分離が生じていることを指摘し,このような分離が容認されるのは,属性叙述(property predication)の環境に限定されることを提案した。
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http://library.kanto-gakuin.ac.jp/e-Lib/bdyview.do?bodyid=NI30001117&elmid=Body&lfname=link/004.pdf

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