紀要論文 「健全育成」理解モデルへの一考察 : 少年法における非執行機関も含めた全体モデル試論
Consideration on Model to Understand "Sound Development" : An overrall model trial including non-enforcement agencies in juvenile law

櫻井, 秀夫

内容記述
[要旨] 少年法第1条で謳われている「健全育成」という用語は、広辞苑や各種用語辞典に載っていない不可解な用語であり、それでも少年法の執行機関において目的概念として(その用法はトートロジーであるが)定着している。この「健全育成」概念は、荒木論文における三種の分類モデルを議論の基本に据えて展開されてきたが、この三種の分類モデルは、限定された目的に対して重要な効果と実務上の強い影響力を果たしているものの、(1) 論理的に三種の分類は相互に関連がないこと、(2) 実務的にもこの三種の分類は現実に即していない、実際の発達段階とも関連がないことなどが問題点として挙げられる。そこで、これまでとは異なる理解モデルを模索すべく、これまで重要視されてこなかった少年法執行機関ではない、少年法に関係する「非執行機関」こそが「健全育成」概念を多用し、自らを機能させているという、逆説的な状況に着目した。それにより荒木の言う「手続きにおける健全育成」が少年司法における「健全育成」を量的に担い、質的にも(澤登の言う)人権と対立しない新たな健全育成を提起していることが明らかになった。これらの一連の議論をもとに、少年司法全体の過程における「健全育成」の作用を手続きの流れから整理することによって、「健全育成」概念の単なる相対化という作業を超えて、各機関における複数形としての「健全育成」について、それぞれの主体、対象、目標、型などを整理し、少年司法における「健全育成」概念を理解する全体モデルを提示することを試みる
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http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/104856/S18817165-323-P008-SAK.pdf

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