紀要論文 〈文学〉と〈名作〉のあいだ : 一九五〇年代河出書房刊行の少年少女向近代文学叢書を中心に
Education or Entertainment : Three Modern Literature Series for Young Readers Published by Kawade-Shobo in 1950s

佐藤, 宗子

内容記述
[要約] 「現代児童文学」出発前夜の一九五〇年代に、河出書房は複数の「近代文学」ないし「児童文学」に関する叢書を刊行した。それら「日本児童文学全集」「日本少年少女名作全集」「日本少年少女文学全集」(未完)を検証した結果、少年少女向けの近代以降の「文学」は、「童話」を中心とする「児童文学」と、やや年長を意識した「小説」などの散文作品を中心として考えられており、散文の種類としては、写生や自伝的作品、感想といった文種も想定され、さらに詩や劇も一定の位置を占めていること、「名作」には長編読み物が該当するが、戦前からの日常を描いた少年読物、少女読物のほか、伝奇物・時代物、探偵物なども相当し、さらに戦後の日常を描く新作も含まれていた。他方、今日の「ファンタジー」にあたる作品はほぼ皆無といえる。さらに、この時期においては「近代文学」という語は、意味を十分に確立させていない。この後、こうした叢書に見られる多様な「文学」の幅は、むしろ狭められ、散文の「小説」中心に移行していったのではないか。他社の叢書を対象に、検討を続けていきたい。
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http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/104479/S13482084-65-P504-SATO.pdf

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