紀要論文 高校理科教師の理科教育目的観に関する調査研究 : 理科教師の自己認識との関連を中心として
What do High-school Science Teachers Teach Science for? : Mainly in Relations to the Self-Perception of Science Teachers

鶴岡, 義彦  ,  藤田, 剛志

内容記述
[要約] 理科教育を左右する要因として,従来から,学習者観は注目されてきたが,理科教師観は注目されて来なかった。小論では,理科教師自身の自己認識の差異が理科教育のあり方,とりわけ理科教育目的観を左右するか否かを検討するため,千葉県内公立高校48校の高校理科教師を対象として調査を実施した。ここにおける理科教師の自己認識とは,自らを,科学者又は科学者に近い存在と認識しているか否か,ということである。理科教育目的観については,理科教育が目指すべき理想的人間像を,日常生活人,理系職業人,民主的社会人並びに文化人という4種に分けて問うた。また併せて,理科教師の自己認識は,出身学部・大学院の差異や学会所属の有無と関係があるか,あるいはSSHへの賛否,科学論的知識に対する必要性の認識などを左右するかどうかも検討した。その結果,(1)高校理科教師は全体としては,自らを科学者とか科学者に近接する存在とは捉えていない,(2)彼らは,生徒達の将来の職業への寄与よりも,将来の日常生活への寄与を意識して理科教育に携わっている,(3)彼らは,科学が自然に対する新しい見方を提供することを尊重するが,科学による生命観や地球観の変革といったスケールの事柄には関心が低い,とりわけ自己認識が科学者に近いという教師ほどその傾向がある,また,(4)科学技術のあり方が日本や世界の将来を左右する時代においても,科学技術政策に関心を向けさせることは高校理科教育の大事な任務とは考えていない,(5)科学者に近いとの自己認識をもつ教師ほど文化人の育成という側面を軽く捉える傾向がある,更に,(6)科学論的知識を必要だとする教師の方が民主的社会人の育成という目的観を重視している,等々の結論が導かれた。
本文を読む

http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/104448/S13482084-65-P227-TSUR.pdf

このアイテムのアクセス数:  回

その他の情報