Departmental Bulletin Paper 造形,美術教育における幼児・児童の表現様式の意味と美術の表現様式との関係 : 自己表現としての表現様式と表現技術の再考
Relationships between the Meaning of Children’s or Students’ Artistic Expressions and the Typical Styles of Art : Reconsideration on the Styles of Self-Expression and the Techniques of Expression

佐々木, 達行

Description
[要約] 本論は,造形,美術教育の研究を構造的に捉えるために私が設定した「造形,美術教育学の構造内容」1)(図表1)の主としてⅡ,Ⅲ(ゴシック文字)に対応する研究である。本論のテーマは,「幼児・児童の表現様式」と「美術の表現様式」を比較しながら,造形,美術教育における「表現様式」と「表現技術」に対する考え方やあり方を再考していくことである。幼児・児童の表現様式は,発達心理学の視点から彼らの成長発達にともなう特性として考えられてきた。それは,幼児・児童の表現様式は,彼らの成長発達にともなって未熟からから成熟へと変化すると捉えることになり,表現様式を幼稚,未熟等,優劣を比較してみることにもなる。この考え方をもって造形,美術教育を行うと,幼児から児童,生徒への成長にともない,青年期には写実的様式,あるいはそれを実現するための表現技術の獲得が造形,美術教育の課題・目標となる。一方,美術史の世界では,「それぞれの表現様式は比較できない独立した意味や価値があるもの。」と捉えられている。ここでは,幼児・児童の「図式的な表現様式」と「西洋・日本美術の表現様式」の作品例を様々に比較しながら,表現に対する考え方(価値観)の共通点や相違点等を探り,「幼児・児童の表現様式も,それぞれ比較できない独立した意味や価値がある。」ことを論述していく。さらに,幼児・児童・生徒の個性や特性,自主性や主体性等を育てる「造形を通した人間教育」は,表現様式や表現技術の優劣を比較することではなく,造形表現活動を通して,それぞれの表現様式や表現技術の考え方(価値観)を認め,それらと対峙させることが重要であることを主張していく。
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http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/104438/S13482084-65-P137-SASA.pdf

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