Departmental Bulletin Paper 京伝黄表紙の残照- 文化末期における合巻を中心に-
キョウデン キビョウシ ノ ザンショウ ブンカ マッキ ニ オケル ゴウカン オ チュウシン ニ

鈴木, 奈生  ,  スズキ, ナオ  ,  SUZUKI, Nao

(30)  , pp.15 - 34 , 2015-07-10 , 千葉大学文学部日本文化学会 , チバダイガクブンガクブニホンブンカガッカイ
ISSN:0385-7980
NCID:AA12576416
Description
山東京伝は、「天明年中より洒落本の新作、春毎に出て評判よからぬはなく、小本・臭草紙共に、滑稽洒落第一の作者と称せられたり」と『近世物之本江戸作者部類』にて許されたように、天明期には洒落本(小本)と黄表紙(臭草紙)を以ってその地位を確立していた。その後、筆禍を経て洒落本の筆は折ることとなるが、黄表紙に関しては、文化四年に合巻形態の作品を刊行するまで、時流に合わせて作風を変化させつつ継続的に執筆を行った。その京伝黄表紙の影響作は散見するが、とりわけ寛政期後半から享和年間に刊行された見立てなどによって平易に教訓を図示した作品(以下「教訓見立てもの」と称する)から取材したものが多く認められる。この現象は、それらの黄表紙が後世における享受を可能にする普遍性を有した素材であることを示している。このような後世における影響という観点から京伝黄表紙の文学史的位置付けについては、改めて検討する余地があると思われる。本稿ではその端緒として、文化末期に刊行された京伝自身および弟の山東京山による京伝黄表紙に依拠した合巻作品について取り上げたい。京伝・京山が合巻という媒体において、なぜ京伝の旧作黄表紙を利用したのか、また刊行時期が文化末期頃に集中しているのはなぜか、という疑問を軸としてその出版背景を考察してゆきたい。
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http://mitizane.ll.chiba-u.jp/metadb/up/AA12576416/30_15-34.pdf

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