紀要論文 都市近郊農村からアーバンビレッジへの変容 : インド・デリー首都圏の1農村を事例に

澤, 宗則  ,  森, 日出樹  ,  中條, 暁仁

8pp.1 - 25 , 2018-03 , 広島大学現代インド研究センター
ISSN:21858721
内容記述
本稿では,グローバル化の下で経済成長しているデリー首都圏内の近郊農村の社会変容の過程を分析した。1997 年にノイダの1 農村において全世帯を対象に調査を行い,2014 年・2015 年にはその追跡調査を行った。ノイダの開発にともない,政府により多くの農地が収用され,農業が衰退した。住民は離農し,大都市や工場への通勤者が増加し,農業を基盤とした社会関係は崩壊した。公立学校が主体であった住民の通学先は,所得向上にともない,私立学校中心となった。地域社会がかつて共有していた価値は意義を失うこととなった。集落外は都市景観になるものの,都市計画外地域として集落形態が残存している。伝統的な農家住宅は近代的なものに建て替えられ,集落内にも賃貸アパートが林立するものの,インフラは未整備のままで,下水道などに問題が生じているが,行政の努力不足や集落内で解決する主体が存在しない状況が続いている。調査村は,大都市圏の都市計画から排除された低開発地区であり,アーバンビレッジと化した。ここは,近隣の大学の学生や都市で働く低賃金労働者などのための低家賃アパートの供給地となっている。アーバンビレッジは,より発展した都市空間へ送り出すための労働力の(再)生産において重要な役割を果たしている。
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http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/90004738.pdf

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