紀要論文 『枕草子』「中納言まゐりたまひて」段試考 : 「海月の骨」の意味と「言い訳」の意図

松本, 昭彦  ,  MATSUMOTO, Akihiko

内容記述
『枕草子』第九十八段「中納言まゐりたまひて」段は、有名な「海月の骨」の秀句の段であるが、従来この秀句は、隆家の「見たことないほどすばらしい扇の骨だ」との発言に対し、「見たことないなら海月の骨ですね」と清少納言がしゃれを言ったと解釈されてきた。しかし、「海月の骨」とは、長生きすれば見られるかもしれない奇蹟・幸運の意味の成句であり、この場面は、定子が皇子を懐妊もしくは生んだ直後と考えられることから、ここではその皇子の将来の即位を<予祝>する意味を込めたしゃれであると考えるべきである。またこの章段末尾の部分は、この章段の執筆によって、そのような<予祝>にも関わらず若くして亡くなってしまった定子、結局皇位には就けない皇子・敦康親王の悲運を読者に再確認させてしまうことに対する「言い訳」と考える。
本文を読む

https://mie-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=3597&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1

このアイテムのアクセス数:  回

その他の情報