Research Paper サイエンスカフェを担う人々が目指す方向性は同じなのか? : 広島大学サイエンスカフェを対象としたインタビュー調査から

小坂, 有史  ,  川本, 思心

3pp.1 - 41 , 2017-04 , 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
Description
科学技術コミュニケーションとして日本で行なわれている活動の一つに、サイエンスカフェがある。2005 年に日本でサイエンスカフェへの関心が高まってから(中村 2008)、3 年後の2008 年にはすでに、日本各地の大学やNPO 等の各種団体、そして個人主催で、サイエンスカフェや類似の催し物が多く行われていることが報告されている(松田 2008)。そして、2017 年現在も各地で数多くのイベントが開催されている。広島大学大学院理学研究科でも2007 年から広島大学サイエンスカフェを主催しており、2016 年10 月までに31 回開催してきた。筆者も2012 年からサイエンスカフェスタッフとして活動してきた。そして、その活動の中で、それぞれの運営スタッフが目指すサイエンスカフェの「方向性」が少しずつ違う印象を受けたが、その「方向性」の違いを明瞭に捉える事はできなかった。そこで本稿では、広島大学サイエンスカフェを例に、サイエンスカフェをより有意義なものへと発展させることを目的に、運営するスタッフに対してインタビュー調査を行った。そして、スタッフそれぞれが目指す「方向性」について考察した。その結果、スタッフが目指す方向性を〈スタッフ視点=個人の学び〉〈大学視点=アウトリーチ〉〈来場者視点〉いう三つの要素の合成ベクトルと表現できた。さらに、スタッフ視点の中には《主催者》《来場者》という立場の二重性があり、目指す方向性と複雑に絡み合っている可能性が見出された。この複雑な絡み合いから生じる「方向性」の違いが、サイエンスカフェの可能性を広げ、より面白いものにする要素の一つではないだろうか。
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https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/65222/1/CoSTEPreport3_kosaka.pdf

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