Thesis or Dissertation ラット脳のCa-及び Mg-ATPase 活性の局所麻酔薬による可逆的な抑制

岩本, 理恵

2016-03-24
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【緒言】局所麻酔薬(局麻薬)は血液脳関門を容易に通過するため有害な副作用として中枢作用を示すが直接の作用機構には不明な点が多い。脳内にはイオン輸送、情報伝達やエネルギー変換に関与する種々のCa2+及びMg2+で活性化されるATP加水分解酵素( Ca- ATPase, Mg- ATPase) が存在するが、それらに対する局麻薬の作用に関する報告は少ない。そこで、局麻薬の中枢作用にこれらのATPaseに対する作用が関与する可能性を考えて本研究を行った。【材料と方法】ラット全脳からPottorfの方法に従って形質膜(PⅡ)及びミクロソーム( PⅢ) 分画を分離し、pH 7.4あるいは9.5で最大活性を示す6種類のCa- ATPase及びMg- ATPase活性を検出した。各ATPase活性に対するprocaine, tetracaine, lidocaine, prilocaine, bupivacaine及びdibucaineの阻害作用と、阻害が可逆的か否かを検討した。【結果と考察】局麻薬は 6種のATPase活性のうち4種には共通した阻害を示さなかった。最大活性をpH 9.5で示すPⅡのCa- ATPase活性とMg- ATPase活性は、臨床で使用される濃度域で各局麻薬により濃度依存的に抑制され、局麻作用が強いtetracaineとdibucaineは他の局麻薬と比較して阻害作用が強かった。両ATPaseを活性が最大に抑制される濃度のlidocaine, tetracaine及びdibucaine存在下でインキュベーションした後に、各局麻薬の濃度を希釈により下げると活性は最初からその濃度の局麻薬存在下で観察される活性まで回復した。【結論】ラット脳には、局麻薬により可逆的に抑制されるCa- 及びMg- ATPase活性が存在し、 脳内に局麻薬が到達すると機能は抑制されると考えられる。
Hokkaido University(北海道大学). 博士(歯学)
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