紀要論文 FASB概念フレームワークプロジェクトフェーズBにおける不確実性の取り扱いに関する審議内容の整理
Treatments on Uncertainties in the FASB Conceptual Framework Project Phase B

久保, 淳司

66 ( 1 )  , pp.33 - 57 , 2016-06-09 , 北海道大学大学院経済学研究科
ISSN:0451-6265
NII書誌ID(NCID):AN00070036
内容記述
本ノートでは,不確実性に関係する会計処理を概念フレームワークレベルで検討する際の手掛かりを探るために,FASBの概念フレームワークプロジェクトのフェーズBの審議のうち,不確実性の取り扱いに関する審議内容を中心に整理を行った。具体的には,フェーズBに関連して公表されたコメント要請資料「不確実性を伴う資産および負債に関連する選定問題」およびコメントレター,フェーズBに関連する15回の会議の議事録および会議資料の内容の整理を行った。本ノートにおける整理の結果,不確実性の取り扱いを巡っては,不確実性が資産や負債の存否にあるのか,将来キャッシュフローの帰結にあるのかという対立と,その影響を反映すべきは測定局面なのか,認識局面なのかという対立の2つの対立があり,フェーズBの暫定的結論は不確実性は資産や負債の存否にあり,その影響を反映すべきは測定局面であるという立場を採用していることが確認された。現行概念フレームワークの定義とフェーズBの暫定的結論の不確実性概念は帰結に係る不確実性と存否に係る不確実性という異なる概念であることを意味しており,このことは不確実性に関係する会計処理を概念フレームワークレベルで検討する際の手掛かりとなるだろう。
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