学術雑誌論文 モンゴル牧畜社会の資源管理に関する環境心理学的考察12 : コモンズをめぐる境界と社会的アイデンティティ

坂本, 剛  ,  滝口, 良  ,  大沼, 進

3 ( 1 )  , pp.1 - 10 , 2015-03-31
ISSN:2189-1427
内容記述
Ostrom(1990)に代表されるコモンズ論の知見は途上国に対する開発援助の一環として,地域の人々による自然資源管理(CBNRM)として制度的応用が行われている。CBNRM は所有権レジームの有効性を強調するものであり,資源そのものの境界と利用権を持つ者の境界を明確に定義することを要求する。本研究は,モンゴルの牧畜社会におけるCBNRM の導入に至る土地利用制度の変遷を整理し,その上でCBNRMの応用課題について検討を行い,牧畜社会の基盤となる互酬性の規範と明確な境界の主張が葛藤を発生させている可能性を示唆した。以上の議論に対して社会的アイデンティティ理論から考察を行い,コモンズ論による明確な境界の主張は,些細な境界が集団成員の認知や行動に影響を及ぼすという影響過程を過小評価しており,モンゴルの牧畜社会のような一般交換に基づく広範な協力行動が支える社会システムにとって脅威となりうることを明らかにした。最後に,制度設計の上でより有効と考えられる指針を示した。
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