Departmental Bulletin Paper AICPAの職業倫理基準と「一般に認められた会計原則」 : 1973年職業倫理規程規則203の設定を題材として

村上, 理

65 ( 1 )  , pp.157 - 165 , 2015-06-11 , 北海道大学大学院経済学研究科
ISSN:0451-6265
NCID:AN00070036
Description
本稿は,米国公認会計士協会(The American Institute of Certified Public Accountants: AICPA)のかつての職業倫理基準である職業倫理規程(Code of Professional Ethics)のうち規則203 (Rule203)に焦点を当て,当該規定がなぜ誕生したのかを解き明かすことを目的としている。職業倫理規程規則203は,AICPAの会員である公認会計士と会計原則との関係を定めたものであり,それはしばしば職業倫理規程においてもっとも重要な規定であると見なされてきた。当規定は,先行研究においては,主に財務会計の領域において,米国の会計原則を取り囲む制度の一部として限定的に触れられてきた(e.g. 忠[1975],長谷川[1979],広瀬[1995])一方で,それ自身が検討の中心とされることはなかったように思われる。本稿は,このような先行研究の空白を埋めんとする試みである。職業倫理規程規則203の誕生を検討するにあたっては,1960年代のAICPAが置かれた環境を考慮に入れることが肝要となる。すなわち,1962年,APBオピニオン第2号「『投資税額控除』の会計処理(Accounting for the “Investment Credit”)」がSECによって無視された(千代田[1987] p.96)ことを受け,AICPAは,会計原則の権威をいかに保つかについて対策を講じることを迫られた。職業倫理規程規則203は,この問題に対する回答として誕生したものであった。換言すれば,AICPAとSECの関係,およびそれらと会計原則設定主体との関係が,当規定を必要とせしめたのである。
Full-Text

http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/59492/1/ES65%281%29_157.pdf

Number of accesses :  

Other information