学位論文 歯根外部吸収想定モデルにおける 各種根管洗浄法の水酸化カルシウム貼薬効果に及ぼす影響

久田, 明奈

2015-03-25
内容記述
 歯根外部吸収に対する治療として,根管清掃および水酸化カルシウム製剤の貼薬が行われているが,機械的根管清掃により形成されたスミヤー層が象牙細管を閉塞し,貼薬剤の歯質への浸透を阻害することが報告されている.本研究は,北海道大学病院歯科診療センター小児・障害者歯科専門外来で根管治療に使用している薬剤を用いて,スミヤー層を効果的に除去し,有効な水酸化カルシウム貼薬効果を得るための化学的根管処理条件の比較検討を目的とした.  本実験には,52本のヒト永久歯の歯根を試料として用いた.根管拡大・形成後,洗浄法により4グループ(G1~G4)に分類した.洗浄法は,G1:生理食塩水,G2:10%NaOCl超音波洗浄,G3:14%EDTA超音波洗浄,G4:14%EDTA超音波洗浄→10%NaOCl超音波洗浄で,G2~G4は,洗浄剤を根管内に満たし,歯科用超音波多目的治療器(Osada ENAC 10W)を使用して45秒間の超音波洗浄を行い,生理食塩水で最終洗浄を行った.実験1として,走査型電子顕微鏡(SEM:HITACHI S-4000)にて根管内壁を観察し,得られたSEM写真から象牙細管の開口率を求めた.実験2として,水酸化カルシウム糊剤を根管貼薬した後,根管口と根尖孔を即時重合レジンで封鎖して,歯根外表面に人工的に吸収窩を付与した試料を水道水に浸漬し,pHメーター(HORIBA LAQUA)を用いて浸漬液の経時的なpH変化を計測した.実験3として,実験2と同様に作製した試料の外部吸収窩以外をネイルバーニッシュで被覆して,脱イオン水に浸漬し,ICP発光分光分析装置(ICP-AES,P-4010,HITACHI))を用いて浸漬液の経時的なカルシウムイオン濃度を計測した.実験1〜3で得られたデータに対し,統計処理を行った.  その結果,EDTAとNaOClを併用した超音波洗浄を行う方法が最もスミヤー層を除去することが示された.また,歯根外のpHの上昇やカルシウムイオンの拡散を促すには,スミヤー層除去効果の高いEDTAとNaOClを併用した超音波洗浄を行う方法が最も効果的であることが示唆された.
Hokkaido University(北海道大学). 博士(歯学)
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http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/59017/1/Akina_Hisada.pdf

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