学位論文 偏性細胞内寄生性細菌クラミジアの宿主細胞への適応機構に関する研究

石田, 香澄

2015-03-25
内容記述
偏性細胞内寄生性細菌であるクラミジアは、1907 年にトラコーマの原因因子として発見された。しかし、細菌として分類されたのは 1966 年であり、それまでは培地中で培養できず濾過器を通過することからウイルスであると考えられていた。現在クラミジアは 8 科に分類されているが、大きく「病原性クラミジア」(例えば Chlamydia pneumoniae や Chlamydiatrachomatis)と「環境クラミジア」(例えば Neochlamydia や Protochlamydia)に二分することができる。前者はヒトなどの脊椎動物に感染して病気を引き起こし、後者はアメーバ などの原生動物にも感染する。両者のゲノムサイズを比較すると、病原性クラミジアのゲノムは約 1.0 Mbp に対して環境クラミジアは約 2.5 Mbp と、約 2~3 倍大きいことがわかった。この違いは両者が進化の過程でそれぞれの宿主に合わせてゲノムを再構築してきたか らであると考えられている。しかしながら、両者は共通した性質も保持しており、例えばクラミジアは宿主細胞への感染や増殖に、II 型分泌装置や III 型分泌装置から宿主細胞に注入されるエフェクターを巧みに利用する。また、増殖様式についても共通しており、その クラミジア独自の様式は増殖環と呼ばれる。このように病原性クラミジアと環境クラミジアは約 7~10 億年前に分岐してから独自に進化してきたにも関わらず、多くの共通した性状を持ち合わせていることから、本博士論文では両方のクラミジアを研究対象とすることで 異なる角度からクラミジアの宿主細胞への適応機構を解明することにした。
122p
Hokkaido University(北海道大学). 博士(保健科学)
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https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/58648/1/Kasumi_Ishida.pdf

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