紀要論文 The Dependency between a Quantifier and a Bound Pronoun : Its Effects on the Processing of Relative Clauses
量化詞と束縛変項代名詞の依存関係 : 関係節処理に対するその効果

Ono, Hajime  ,  Ikemoto, Yu

36pp.93 - 105 , 2016 , Department of Linguistics, Faculty of Humanities, Kyushu University
ISSN:1348-1592
NII書誌ID(NCID):AA11886316
内容記述
依存関係をテーマとする多くの先行研究によって、主語関係節に比べて目的語関係節の処理コストが高いことが示されている。日本語のように関係節が主要部の名詞句に先行する言語においても同様の対比が見られることは、一見すると所謂構造的距離の仮説と呼ばれる説明が適切であるかのように感じられるが、空所の存在位置といった交絡因子になりうる要素などのために、結論は明らかではない。また、wh 句に関する依存関係に対しては、線形的距離が処理コストを決定していることを示す結果が得られている。本研究では、Ono and Ikemoto (2013) の先行研究に倣い、関係節を使いつつ、関係節主要部名詞の量化詞と、それによって束縛される関係節内の代名詞(変項)の依存関係を対象とした実験を実施した。束縛された代名詞(変項)が関係節内で統語的により深い位置(そして線形的には主要部名詞に近い位置)に存在する条件で、関係節主要部の名詞句の読み時間が短くなることを観察した。このことは、項位置が空所である関係節を使用した、日本語についての先行研究で観察された主語関係節の処理上の優位性は、依存関係の処理コストが一般的に構造的距離によって決定されていることを直接的に示すものではないことが示唆される。
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http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/handle/2324/1654998/p093.pdf

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